クライストチャーチ テロ事件から2週間

ニュージーランドから最新ニュースのお届けです。

皆さん、こんにちは。現地スタッフのMakoです。

世界を震撼させたニュージーランド南島の最大の都市、クライストチャーチで起きた銃乱射事件。今日で2週間が経ちました。多くの人々が祈りをささげる最中に起きた悲劇で、50人もの尊い命が失われ、今なお4名の負傷者が危険な状態から脱していない状況です。治安が良くて、多民族が調和した国で知られたニュージーランドで、まさかこのような衝撃的な事が起こるとはと、ニュージーランド中が悲しみに包まれました。

しかし、この国に住む人々は、アーデン首相のリーダシップの下、国を分断しようとする勢力に対して、果敢に立ち向かう姿にまた感動しています。この2週間の間に起きた様々な変化や人々の行動から、多民族多宗教社会のあるべき姿を見て、私にとりまして印象的だったことを皆様とも共有したいと思います。

1:今回の事件は超過激白人至上主義者による犯行でした。地方を視察中のアーデン首相が事件の第一報を受けて開いた会見では、いち早くテロであることを断定し、ニュージーランドには、いかなる形の人種差別が存在してはならないと力強く宣言しました。

2:事件発生翌日から、事件現場となるエリアに近づかないようにと言われたにもかかわらず、各地から多くの若者を含め、献花に訪れる一般人が後を絶たず、事件付近の公園周辺は花の海となりました。
弊社がサポートする留学生の方も学校近くのモスクに献花に行かれたようです。

3:クライストチャーチ入りしたアーデン首相も、イスラム教女性信者と同じヒジャブ姿で現れ、被害者家族と抱擁する姿が共感を呼び、ムスリムの皆さんと共にいるというメッセージを送りました。その時、民間では、街を歩くのが不安なムスリムの皆さんと一緒に歩くという、自発的な動きがニュージーランド各地で起こりました。

そして、ヒジャブ姿のアーデン首相がドバイにある世界最高のビルに民族・宗教融和の象徴として写り出されました。世界各国から、アーデン首相の対応に称賛が集まり、ノーベル平和賞を与えるべきだと署名活動もあったようです。

4:全国各地で犠牲者を追悼する通夜が自発的に多数行われました。ニュージーランドで最大勢力を持つ“バイカー”もモスクに向かって、鎮魂のハカ(マオリ族の踊り)を捧げました。

5:信者の方々がモスクで安心して祈りを捧げられるよう、各地のモスク周辺では警察による警備が増加されました。そんな中、「バイカー」団体も自発的に警備に加わるところもありました

6:事件後すぐ、アーデン首相は銃規制の法改正する決意を示したことに続き、1週間足らずで国会では全会一致で軍用銃を全面的に規制する法改正を通したことを発表し、流通している銃に対する政府の買い戻しなどの具体案も示されました。

政府の決意に賛同して、野生動物から身を守るために銃を保持しているエリアに住む人達の中には、自主的に軍用銃を警察に手渡した人もいました。

7:白人の将来を憂慮すると自称する右翼団体は、軒並み自主的に店じまいや解散をし、ほぼその存在がなくなったという元団体リーダーの証言が掲載されました。

8:3月27日、オークランドで行われた人種差別に反対するデモに、第二次世界大戦に出征した95歳のJohn Satoさんが複数のバスを乗り継いで参加しました。日本人の父親とスコットランド人の母親を持つSatoさんは、戦時中2人しかいないKiwi-Japaneseの1人として、ニュージーランド軍に入隊して、戦場で戦いました。事件発生後はほぼ眠れず、被害を受けた人々の痛みを感じる日々を過ごしたそうです。今回の事件について、Satoさんは「大変な悲劇ですが、もう1つの側面もありました。それは、人々は人種など関係なく一丸となれたこと。我々は皆、同じだということに気づき、お互いに助け合うのです。」

9:事件から2週間の3月29日に、ラグビーの聖地と言われるオークランドのEden Parkで”Together”という名の追悼式典が行われる予定です。

悲劇は悲劇で終わらない。事件が起きた背景から教訓を得て、2度と同じことが起きてはならないという決意がこの国にあります。そして、団結こそが憎しみに打ち勝ち、愛の力で傷を癒そうと実践する人々の姿に、世界から多くの称賛が集まり、私も深く感動しています。

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