ニュージーランド入国のためのNZeTA(電子渡航認証)とは?申請方法や費用、留学での必要性について
ニュージーランドへの渡航を控えている方にとって、NZeTAは必ず理解しておくべき電子渡航認証です。しかし、「自分の場合はNZeTAでいいの?」「学生ビザとの違いは?」など、疑問を抱いていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ニュージーランド入国に必要なNZeTAの基本情報から、申請方法、費用、そして留学におけるNZeTAの必要性や注意点まで、分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ニュージーランド電子渡航認証(NZeTA)とは
ニュージーランド電子渡航認証(NZeTA)は、ビザなしでニュージーランドへ渡航する際に必要となる電子的な渡航認証システムです。
日本を含むビザ免除国・地域からの渡航者が対象となり、観光やトランジットなどの目的で利用できます。
NZeTAはあくまで渡航前の認証であり、入国を保証するものではありません。最終的な入国許可は、到着時の入国審査官の判断によります。
留学を目的とする場合でも、コースの期間や種類によってはNZeTAで渡航できるケースがありますが、注意点もあるため、後ほど詳しく解説します。
一緒に請求されるIVL(国際観光税)とは
NZeTAを申請する際には、IVL(International Visitor Conservation and Tourism Levy:国際観光税)の支払いも同時に求められます。
これは、ニュージーランドの豊かな自然環境の保護と、観光インフラの維持・整備を目的として導入された税金です。IVLは、NZeTAの申請料金とは別途請求されますが、申請手続きの中で一緒に支払う仕組みになっています。
この税収は、ニュージーランドの貴重な自然遺産や国立公園の保護活動、観光客向けの施設の改善などに充てられ、持続可能な観光の実現に貢献しています。
IVLの金額はNZeTAの申請方法(アプリかウェブサイトか)に関わらず一定です。
ニュージーランド留学にNZeTAは必要?ビザとの違い
留学の期間や目的によってNZeTAが必要なのか、それとも学生ビザを取得する必要があるのかは異なります。
NZeTAは主に観光や短期滞在を目的とした渡航者向けの電子渡航認証ですが、特定の条件下での短期就学も認められています。
一方、学生ビザは、ニュージーランドで本格的に長期間学ぶことを目的とする場合に必要となる査証です。
NZeTAと学生ビザの最も大きな違いは、滞在可能期間と就学できる条件です。
NZeTAでは就学できる期間に制限があり、また、フルタイムのコースであっても特定の条件を満たす必要があります。
これに対し、学生ビザはより長期間の就学が可能で、教育機関が認定したフルタイムのコースに登録することが一般的です。
NZeTAで学校に通える期間
NZeTAを利用してニュージーランドの学校に通うことができるのは、1つのコースの就学期間が3ヶ月以内である場合に限られます。
例えば、4週間の短期語学コースや、2ヶ月間の専門スキルアップコースなどが該当する可能性があります。
ただし、複数の短期コースを組み合わせて受講し、合計期間が3ヶ月を超える場合は、NZeTAでの就学は認められず、学生ビザの取得が必要となる点に注意が必要です。
また、NZeTAで就学する場合、そのコースが政府に認可された教育機関のものであるかどうかも重要なポイントとなります。
就労は一切認められていません。もしご自身の留学プランがこの条件に合致するか不明な場合は、事前にプロにお問い合わせください。
NZeTAからビザに切り替えるには
NZeTAでニュージーランドに滞在している間に、学生ビザや就労ビザなど他の適切なビザをオンラインで申請することは可能です。
重要なのは、NZeTAで許可されている滞在期間(通常最長3ヶ月)が満了する前に、新しいビザの申請を完了させることです。
申請が無事に受理され、審査期間中にNZeTAの滞在期限が来てしまう場合には、「Interim Visa(暫定ビザ)」が発行されるのが一般的です。
このInterim Visaにより、申請中のビザの結果が出るまで合法的にニュージーランドに滞在し続けることができます。ただし、Interim Visaの条件は、申請しているビザの種類や、それ以前に保持していたビザの条件によって異なります。
NZeTA(就労不可)から就労ビザを申請した場合は、Interim Visaの段階ではまだ就労ができません。
NZeTA申請に必要なもの
NZeTAの申請はオンラインで完結するため、事前にいくつかのものを準備しておく必要があります。
パスポート |
ニュージーランド出国予定日から最低3ヶ月以上の残存有効期間が必要。 |
クレジットカード |
NZeTA申請料金およびIVL(国際観光税)の支払いに必要。 VisaまたはMastercardが利用可能。 |
顔写真のデータ |
写真サイズ:縦1200pixels×横900pixels~縦3000pixels×横2250pixels ファイル容量:500KB~3MB ファイル形式:JPG(JPEG)ファイル >>詳しい規定はこちら |
受信可能なメールアドレス |
申請受領の通知や、NZeTAの承認・却下などの結果受信用。 「@immigration.govt.nz」からのメールを受信できるようにしておく。 |
NZeTAの申請にかかる費用
NZeTAの申請にはNZeTA自体の申請料金と、IVL(国際観光税)を払う必要があります。
申請方法は、ニュージーランド移民局(Immigration New Zealand)の公式スマートフォンアプリを利用するか、移民局のウェブサイトにあるオンラインフォームを利用するかの2通りがあり、どちらを選ぶかによって申請料金が若干異なります。
IVLの金額はどちらの方法でも同額です。
アプリからの申請
スマートフォンアプリ(NZeTAアプリ)からNZeTAを申請する場合の費用は、ウェブサイトからの申請に比べて若干安く設定されています。
2025年5月現在、NZeTA申請料金はNZD$17です。これに加えて、IVLとしてNZD$100が別途かかります。
したがって、アプリから申請する場合の合計費用はNZD$117となります。
移民局Webサイトのオンラインフォームから申請
ニュージーランド移民局の公式ウェブサイトにあるオンラインフォームを利用してNZeTAを申請する場合、申請料金は2025年5月現在、NZD$23です。これに加えて、IVLとしてNZD$100が別途かかります。
したがって、ウェブサイトから申請する場合の合計費用はNZD$123となります。
NZeTAの申請手順
NZeTAの申請は、すべてオンラインで完結します。手順はシンプルで、指示に従って情報を入力していけば、それほど時間をかけずに終えることができます。
事前に必要なもの(パスポート、クレジットカード、写真、メールアドレス)を準備しておけば、スムーズに手続きを進められるでしょう。
アプリをダウンロード・または公式サイトにアクセス
NZeTAを申請するための最初のステップは、公式の申請プラットフォームにアクセスすることです。アプリまたは公式サイトから申請を開始してください。
パスポート情報・個人情報を入力する
NZeTAの申請プラットフォーム(アプリまたはウェブサイト)にアクセスしたら、次にパスポート情報と個人情報を入力します。
アプリの場合、パスポートの顔写真ページをスマートフォンのカメラでスキャンすることで、多くの情報を自動的に読み取ることができます。
ウェブサイトの場合は、手動で入力します。
※アプリでの申請の場合、パスポートを読み取ったあとに顔写真の登録があります。
適格性の質問に回答する
パスポート情報と個人情報の入力が終わると、次にいくつかの適格性に関する質問に回答する画面に進みます。
虚偽の申告をした場合、NZeTAの承認が取り消されたり、将来的にニュージーランドへの入国が禁止されたりする可能性もあるため気をつけましょう。
※ウェブサイトの場合、このあと顔写真の登録があります。
申請内容を確認し、料金を支払う
すべての情報の入力と適格性の質問への回答が終わると、最後に入力内容の確認画面が表示されます。ここで、これまで入力してきたパスポート情報、個人情報、質問への回答内容に誤りがないかを最終チェックします。
内容に問題がなければ、申請料金(NZeTA料金+IVL)の支払い手続きに進みます。
支払いが正常に完了すると、申請手続きは終了です。その後、登録したメールアドレスに申請受領の通知が届き、審査が開始されます。
通常、審査は短時間で完了しますが、場合によっては追加情報の提出を求められたり、審査に時間がかかったりすることもあります。
NZeTAの有効期限は2年間
NZeTA(ニュージーランド電子渡航認証)を取得すると、その有効期限は発行日から2年間です。
2年間の有効期間内であれば、ニュージーランドへの渡航が複数回可能です。
NZeTA申請に使用したパスポートの有効期限が2年より短い場合、NZeTAもそのパスポートの有効期限までしか有効ではありません。
パスポートを更新した場合は、新しいパスポートでNZeTAを再申請する必要があります。
1回の渡航で最長3ヶ月滞在できます。
12ヶ月間(最初の入国日から起算)で、合計6ヶ月まで滞在可能です。
(例: 3ヶ月滞在後に一度出国し、再度3ヶ月滞在する)
NZeTAに申請で注意すること
NZeTAの申請はオンラインで手軽に行えますが、いくつか注意しておきたい点があります。
申請は出発の3日前までに
NZeTAの申請は、ニュージーランドへの出発日の少なくとも72時間(3日前)までに行うことが推奨されています。
ギリギリになって申請すると、万が一承認に時間がかかった場合に搭乗手続きができなかったり、渡航プランに影響が出たりする可能性があります。
偽サイトに注意する
NZeTAの申請は、ニュージーランド移民局の公式ウェブサイトまたは公式モバイルアプリから行う必要があります。
非公式サイトを利用してしまうと、余計な費用がかかるだけでなく、申請が適切に行われなかったり、個人情報が悪用されたりするリスクがあります。
NZeTAを申請する際は、くれぐれもお気をつけください。
パスポートの有効期限に気をつける
NZeTAの有効期間は通常2年間ですが、もし、有効期間内にパスポートの有効期限が切れてしまう場合、NZeTAもそのパスポートの有効期限切れと同時に失効します。
また、ニュージーランドに入国する際には、パスポートの残存有効期間が出国予定日から起算して少なくとも3ヶ月以上必要です。
留学などで長期滞在を予定している場合は、渡航前にパスポートの残存期間を十分に確認し、必要であれば更新手続きを行っておきましょう。
ニュージーランド入国申告(NZTD)も必要
NZeTAを取得しただけでは、ニュージーランドへの入国手続きは完了しません。
ニュージーランドへ渡航するすべての人は、NZeTAとは別に「ニュージーランド入国申告(New Zealand Traveller Declaration:NZTD)」をオンラインで提出する必要があります。
NZTDは、税関、検疫、出入国管理に関する申告を行うもので、渡航者の健康状態や持ち込み品などを事前に申告するシステムです。
NZTDは無料で、ニュージーランド到着の24時間前から提出が可能になります。
留学の入国手続きが不安な方はGina & Partnersにご相談ください
この記事では、ニュージーランドへの渡航を検討されている方に向けて、NZeTA(電子渡航認証)の基本的な情報からビザとの違いまで、幅広く解説してきました。
NZeTAは特定の条件下での短期滞在や短期就学には便利な制度ですが、一度に滞在できる期間や1年間の合計滞在可能日数、就学可能な期間には上限があり、その規定は細かく定められています。
Gina & Partnersでは、お客様の渡航の目的(短期の語学研修、専門学校での学習、大学進学、ワーキングホリデーなど)やご希望される滞在期間(数週間から数年単位まで)を丁寧にお伺いした上で、NZeTAでの渡航が適切か、あるいは学生ビザやその他のビザが必要かなど、それぞれのお客様にとって最適な入国手続きをご案内し、その申請サポートを専門的に行っています。
まずはお気軽にお問い合わせください。
ニュージーランドのNZeTA入国に関するよくある質問
NZeTAを申請後、承認メールが届かない場合はどうすればよいですか?
承認メールが届かない場合、まずは迷惑メールフォルダやスパムフォルダをご確認ください。
次に、申請時に登録したメールアドレスに誤りがないか、NZeTAの公式サイトまたはアプリで申請状況をチェックしましょう。
数日経過してもメールが届かず、申請状況も確認できない場合、または出発日が迫っている場合は、速やかにニュージーランド移民局へ直接お問い合わせください。
NZeTAの申請内容を間違えてしまいました。修正やキャンセル、再申請はどのように行えばよいですか?
NZeTAの申請内容を間違えてしまった場合、一度申請が完了し承認されてしまうと、内容の修正は基本的にできません。
重大な間違い(パスポート番号や氏名のスペルミスなど)がある場合は、正しい情報で新たにNZeTAを再申請する必要があります。
その際、再度申請料金とIVLが発生します。キャンセルや返金も原則として行われません。
家族や友人と一緒にニュージーランドへ渡航する場合、NZeTAは各自で申請する必要がありますか?
はい、NZeTAは個人ごとに申請が必要です。
たとえ家族や友人と一緒に渡航する場合であっても、ニュージーランドに入国する渡航者一人ひとりが、それぞれの名前でNZeTAを取得しなければなりません。小さなお子様であっても、ビザ免除対象国のパスポートで渡航する場合はNZeTAの対象となります。
申請は、代表者がまとめて行うことも可能ですが、その際も各個人の情報を正確に入力し、それぞれの申請に対して料金とIVLを支払う必要があります。
一つの申請で複数人をカバーすることはできませんのでご注意ください。
NZeTAの有効期限(2年)が、ニュージーランドへの渡航予定期間中に切れてしまう場合はどうなりますか?
NZeTA(ニュージーランド電子渡航認証)は、ニュージーランドへの入国審査の時点で有効であれば、その後の滞在期間中に有効期限が切れても問題ありません。
渡航前にご自身のNZeTAがニュージーランドへの入国日まで有効であることを確認すれば、滞在中に有効期限が切れることについて心配する必要はありません。
ただし、NZeTAを利用した滞在には以下の条件がありますので、必ず遵守してください。
1回の滞在は最長3ヶ月まで
いかなる12ヶ月の期間においても、合計の滞在期間が6ヶ月を超えないこと