ニュージーランドで生活をするにあたって誰もが直面する大きな不安の一つが「現地で病気やケガをしたらどうすればいいの?」という医療面の問題ではないでしょうか。
ニュージーランドの医療水準は高いものの、日本とは病院の仕組みや医療費の仕組みが全く異なります。
この記事では、現地の医療制度から費用、万が一の時のサポートまで、分かりやすく丁寧に解説します。
目次
ニュージーランドの2段階の医療システム
ニュージーランドの医療は、原則として「一次医療(プライマリーケア)」と「二次医療(セカンダリーケア)」の2段階に完全分離されています。
日本のように症状に応じて自分で直接専門の病院を選ぶことはできません。まずは必ず、地域のかかりつけ医を受診する必要があります。
① 一次医療:GP(General Practitioner)
病気やケガ(歯科を除く)などの際、緊急時を除いて最初に必ず受診するのが「GP」と呼ばれる一般開業医です。
GPは内科、外科、小児科、皮膚科、婦人科など、医療全般を総合的に診察する「ホームドクター」の役割を持っています。
② 二次医療:専門医(Specialist)や総合病院
GPの診察を受け、さらに高度な検査や手術、専門的な治療が必要であると医師が判断した場合に初めて、GPが紹介状(Referral)を作成します。
患者はその紹介状を持って、指定された専門医や総合病院(セカンダリーケア)を予約・受診する流れになります。
GPの紹介状がない限り、基本的には専門医の診察を受けることはできません。また、緊急時を除き、病院はすべて「完全予約制」です。
実際に病気になったら?GPの受診の流れと費用
日常的な体調不良や、動ける程度の軽いケガをした場合は、まず最寄りのGPを探して予約をします。
GPの検索方法
ニュージーランド政府の医療情報サイト「Healthpoint(ヘルスポイント)」を利用すると、エリアや営業時間だけでなく、「対応言語」を指定して病院を検索することができます。
参考: Healthpoint – GPS & Accident Urgent Medical Care
オークランド周辺の主なGP
CityMed
住所:West Building Ground Level, Quay/8 Albert Street, Auckland City, Auckland 1010, New Zealand
クイーンズタウン周辺の主なGP
Queenstown Medical Centre
住所:9 Isle Street, Queenstown 9300, New Zealand
受診の流れ
- 予約:電話やウェブサイト、または専用 of オンラインアプリなどから予約を取ります。
- 受付:問診票に住所、氏名、症状、病歴、加入している海外旅行保険の有無などを記入します。
- 診察:常用している日本の薬がある場合は、成分の英語名を事前に調べて医師に伝えるとスムーズです。
- 会計・処方:診察料を支払い、処方箋(Prescription)を受け取ります。
GPの診察費用の目安(1回あたり)
ニュージーランドの医療費は、ビザの条件やGPへの登録の有無によって変わります。
| 永住権保持者、または2年以上の就労ビザ保持者(登録あり) | NZ$30 〜 NZ$50 前後(13歳以下の子供は原則無料) |
|---|---|
| ワーホリ・留学生・観光客(登録なし / カジュアル枠) | NZ$250~NZ$300 前後 |
| 時間外・週末の受診 | 夜間や週末、祝祭日は通常料金に加え、NZ$10〜NZ$20程度の時間外追加料金(After Hour Charge)がかかります。また、レントゲンや血液検査などは別料金となります。 |
薬の購入方法
GPで処方箋をもらったら、街中やスーパーマーケット内にある薬局のPrescriptionカウンターに提出して薬を購入します。
なお、処方箋を必要としない一般的な風邪薬、鎮痛剤、解熱剤などは、処方箋なしで直接スーパーや薬局の棚から購入可能です。
夜間・休日や緊急時の対処法
GPが閉まっている夜間や週末、あるいは一刻を争う緊急事態が起きた場合の対処法です。
ニュージーランドで救急車を呼ぶ(緊急番号:111)
命に関わる緊急事態のときは、救急ダイヤル「111」に電話をかけます(警察・消防・救急すべて共通の番号です)。
ニュージーランドでは、主に応急処置および搬送サービスを慈善信託機関である「Hato Hone St John」が担っていますが、日本と違って救急車の利用は有料となります。
救急車を利用した際の費用(実費)は、ビザ状況によって以下のように分かれています。
| 海外からのビジター (ワーホリ・留学生・観光客など) |
NZ$800.00 |
|---|---|
| NZ居住者 (市民・永住者・2年以上のワークビザ保持者) |
NZ$125.00 |
| 事故による怪我(ACC対象) (ビザの種類を問わず全員) |
無料 ※ただし、事故発生から24時間以内の搬送に限る |
| Ambulance Membership 加入者 | 無料 (居住者向けの年間補償制度) |
ワーホリ・留学生は「病気での救急搬送」に要注意
急な病気(心臓発作、脳卒中、激しい腹痛など)」で救急車を呼んだ場合は、ビジター料金としてNZ$800(約7〜8万円)が請求されます。
万が一の事態に備え、これらの費用をカバーできる海外旅行保険への加入が不可欠です。
G&Pで手配しているOrbit保険であれば、条件を満たすことで救急車の費用もカバーされます。(具体的な補償上限額はご加入のプランにより異なります)
>>G&P手配の海外旅行保険はこちら
※なお、ウェリントンおよびワイララパ地域に関しては、St JohnではなくWellington Free Ambulanceがサービスを提供しており、運用ルールが異なる場合があります。
時間外診療
「命に別条はないけれど、今すぐ診てほしい」という場合は、予約なしで駆け込める以下の施設があります。
- 時間外診療施設(Accident & Medical Clinic):街なかにある急患用クリニック(夜20時頃まで営業。例:Three Kings Clinicなど)。
- 大型病院の緊急救命科(Emergency Department):24時間体制の大型病院。オークランド周辺では以下の病院で診てもらえます。
オークランド周辺の主な時間外診療に対応している病院
Auckland City Hospital
住所:2 Park Road
Grafton
Auckland 1023
クイーンズタウン周辺の主な時間外診療に対応している病院
Lakes District Hospital
住所:9 Isle Street
Queenstown 9300
時間外診療施設も、大型病院の緊急救命科も、到着順ではなく「トリアージ(症状の緊急度順)」で診察されます。
命に関わらない症状(高熱や軽いケガなど)の場合、診察終了まで5〜6時間以上待たされることが珍しくありません。
病院へ行く際は、「飲料水」や「スマホの充電器」を持参することをお勧めします。
事故やケガを国が補償?知っておきたい「ACC」制度
ニュージーランドには、公的事故補償制度「ACC(Accident Compensation Corporation)」があります。
これは、ニュージーランド国内で起きた「すべての事故による怪我」の治療費やリハビリ費を、国が一部または全額負担・補償してくれる制度です。
ACCの特徴
- 対象者:NZ市民や永住権保持者だけでなく、ワーホリ、留学生、観光客など、その時NZ国内にいる全員が対象となります。
- 適用例:料理中に包丁で手を切った、スノーボード中に骨折した、道路を横断中に車と接触してケガをした、など。
- 申請方法:受診した病院やクリニックの受付で「事故(ケガ)による受診です」と伝えると、その場でACCの申請用紙を渡されます。
ニュージーランドの歯科治療(歯医者)は高額
ニュージーランドの歯科治療は、国の公的医療助成や一般的な医療保険の対象外となるため、原則として「全額100%自己負担」となります。そのため、治療費が日本に比べて高額です。
歯の治療費の目安(全額自己負担の場合)
| 定期健診(歯のクリーニング含む) | 約 NZ$150 〜 |
|---|---|
| 虫歯の初期治療(軽度なもの1本) | 約 NZ$200 〜 NZ$300 |
| 虫歯の本格治療(根管治療など1本) | 約 NZ$1,000 〜 NZ$1,500(日本円で約10万円〜15万円以上) |
| 詰め物が取れた際の修復 | 約 NZ$200 〜 |
日本の海外旅行保険やクレジットカード付帯保険でも、「歯科治療」は補償対象外のケースがほとんどです。万が一の激痛に備え、渡航前の完全治療と、保険の補償内容の事前チェックを強くおすすめします。
英語が不安な時の電話相談・通訳サービス
医療用語は英語の難易度が高く、体調が悪い中で症状を説明するのは大変です。ニュージーランドには、日本語でのサポートを受けられるサービスがあります。
政府提供の無料健康相談「Healthline」
ニュージーランド政府が運営する24時間365日無料の健康相談ダイヤルです。
電話番号:0800-611-116
電話が繋がったら「Japanese, please」と伝えると、無料の電話通訳者を介して、看護師などの専門スタッフに「病院へ行くべきか」「どのような応急処置をすべきか」を相談できます。
Webサイト:Healthline Official
YOKUMIRU留学ドクターパス
病院の予約が取れない時や通院が不安な時に、24時間いつでも日本人医師にオンライン(ビデオ通話)で医療相談ができるサービスです。
20以上の専門医に何回でも相談でき、現地の市販薬のアドバイスや、病院提出用の英語問診票の準備も可能です。
G&Pではプログラムをお申し込みの方に、本サービスを特別料金でご案内しています。
>>YOKUMIRU留学ドクターパスについてはこちら
G&Pの現地生活サポート体制
ニュージーランドの医療制度が日本と大きく違うからこそ、現地で体調を崩したときのサポート体制が重要になります。
G&Pでは、ニュージーランドに渡航される皆様が、安心して充実した日々を過ごせるよう、万全の現地サポート体制を整えています。
困ったときはLINEや対面で気軽に相談できるほか、緊急時には現地日本人スタッフが24時間体制で電話受付を行っています。
慣れない海外での急な病気やケガの際も、言葉の壁を心配することなく、すぐに日本語で頼っていただける環境です。
>>G&Pの現地サポートについてはこちら
万全の準備で、安心してニュージーランド生活を送りましょう
ニュージーランドは日本とは医療システムが大きく異なります。そのため、現地の医療リスクをしっかりカバーできる適切な保険選びと、いざという時に誰に頼ればいいのか、認識しておくことが重要です。
G&Pでは、現地在住の日本人スタッフが緊急時もしっかりサポートできる体制を24時間整えています。
詳しいサポート体制や、プログラムについてはぜひお気軽にお問い合わせください。
>>お問い合わせ
ニュージーランドの医療システムに関するよくある質問
- Q ワーホリや留学生でもニュージーランドで無料の医療を受けられますか?
-
A
原則として無料にはなりません。診察費や治療費は全額自己負担(実費)となります。
事故や不注意による「ケガ」の治療に関しては、ビザの種類を問わずACCが適用され、自己負担が免除または一部減額されます。病気は補償対象外のため、全額自己負担となります。必ず事前に海外旅行保険や現地保険へ加入してください。 - Q 予約なしで突然行っても診てもらえる病院はありますか?
-
A
はい。緊急時や夜間・休日の場合は「時間外診療施設(After Hours Clinic / Urgent Care)」に予約なしで行くことができます。
ただし、混雑状況や症状の緊急度によっては、受付から診察まで数時間待つ場合があります。 - Q ニュージーランドで日本の薬(処方薬・市販薬)は手に入りますか?
-
A
日本と全く同じ製品を現地の薬局で購入することはできません。成分が同じ現地のお薬が処方・販売されます。
日本から持病の処方薬を持ち込む場合は、英語の処方箋や医師の診断書を持参し、入国時に必ず税関で申告してください(最大3ヶ月分まで持ち込み可能)。 - Q 歯が急に痛くなった場合、GPに行けば診てもらえますか?
-
A
いいえ。歯科治療はGPの管轄外となるため、直接歯科医院を予約する必要があります。
歯科治療は18歳以上は公的医療助成の対象外(留学生の場合は18歳未満でも対象外)であり、100%全額自己負担となるため治療費が非常に高額です。
また、一般的な海外旅行保険でもカバーされないことが多いためご注意ください。 - Q 英語での症状説明や受付が不安な場合、どうすればいいですか?
-
A
電話通訳サービスや、民間の日本語医療通訳を利用できます。
Healthline(0800-611-116)という政府運営の24時間無料健康相談ダイヤル、電話が繋がったら「Japanese, please」と伝えることで無料の通訳者を介して相談が可能です。
また、G&Pでは現地の日本人スタッフによる24時間緊急電話サポートが整っているため安心です。(医療通訳は含まれません)必要があれば、病院に同行することも可能です。(別途有料)