ニュージーランドの中学・高校教育制度とは?大学進学についても解説

ニュージーランドの教育制度は、世界的にも高い評価を受けており、特に中学・高校レベルでは生徒の個性を尊重し、多様な選択肢と実用的なスキルを育むことができる点で特徴的です。

この記事では、ニュージーランドの中学・高校教育制度の概要から、具体的な授業内容、年間スケジュール、大学進学まで細かく解説します。

ニュージーランドの教育システムの概要

ニュージーランドの教育制度は、就学前から高等教育まで一貫したシステムで成り立っています。義務教育は6歳(Year 2)から16歳(Year 11)までと定められており、小学校、中学校、高校と繋がっています。

日本の学年年齢ニュージーランドの学年
6歳小学1年Year 2※日本の5歳(幼稚園年長)がYear 1
7歳小学2年Year 3
8歳小学3年Year 4
9歳小学4年Year 5
10歳小学5年Year 6
11歳小学6年Year 7
12歳中学1年Year 8
13歳中学2年Year 9
14歳中学3年Year 10
15歳高校1年Year 11
16歳高校2年Year 12
17歳高校3年Year 13

ニュージーランドの教育には政府が積極的に関与しており、全国的なカリキュラムと資格制度を設けています。これにより、国内のどの学校に通っても一定水準の教育を受けることが可能です。

ニュージーランドカリキュラムとは

ニュージーランドのナショナルカリキュラムである「ニュージーランドカリキュラム」には、Year 1から13までの学習内容が示されており、公立・私立の多くの学校で採用されています。
学習分野としては、英語、芸術、保健・体育、外国語(第二言語)、数学・統計学、理科、社会科学、テクノロジーの8つが挙げられています。

ニュージーランドの中学・高校の年間スケジュール

ニュージーランドの中学・高校の年間スケジュール

ニュージーランドの中学・高校の年間スケジュールは通常4学期制で、各ターム間に約2週間の休暇があります。1年の始まりは1月末~2月初旬で、第1タームは4月中旬まで、その後スクールホリデーがあります。

第2タームは4月下旬~5月上旬から7月上旬までで、その後、冬休みに入ります。

第3タームは7月中旬~下旬から9月下旬までで、タームが終わるとまた2週間の休みがあります。最も長い第4タームは10月中旬~12月中旬で、学年末には長期休暇があります。

学期の正確な日程は学校や年により異なりますが、このサイクルが一般的です。
ニュージーランドの教育制度の全体像についてはこちらの記事でもご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

>>ニュージーランドの教育制度全般についてはこちら

ニュージーランドの初等教育(小学校・中学校)

ここからはニュージーランドの初等教育について細かく見ていきましょう。

ニュージーランドの初等教育の概要

ニュージーランドの初等教育は、Year 1からYear 8までの8年間を指します。
Year 2以降の初等教育期間は義務教育に含まれており、子どもたちが、読み書き計算といった基礎学力、社会性や創造性、問題解決能力などを幅広く身につけることを目的としています。

5歳の誕生日を迎えると入学が可能になり、入学日は個々の誕生日によって異なるため、日本のような一斉の入学式はありません。

ニュージーランドの小中学校の授業の進め方・学ぶ科目

ニュージーランドの小中学校(初等教育)の授業は、生徒の主体性と積極的な参加を促すスタイルが特徴です。

日本の授業のように先生が一方的に教える形式よりも、グループワーク、ディスカッション、プレゼンテーション、などが多く取り入れられています。

また、基本的には宿題などはなく、自主的に予習・復習をするよう保護者が本人たちに促す必要があります。

時間割

一般的に、学校は午前8時半頃に始まり、午後3時頃に終わります。

▼時間割の例

8:30 登校
8:55 授業開始
10:30~11:00 モーニングティーブレイク
12:40~12:50 ランチ
12:50~13:25 昼休み
13:25~13:30 午後の授業準備
14:50~14:15 昼休み
14:20 授業終了
14:55 下校

ニュージーランドの初等教育機関への留学

ニュージーランドへの初等教育(小学校・中学校)留学は、早い段階から異文化に触れ、国際的な視野を養う絶好の機会となります。

ニュージーランドの小学校・中学校は、留学生に対しても温かく、ESOL(English for Speakers of Other Languages)プログラムと呼ばれる、英語が母国語でない生徒のためのクラスを設けている小学校もあります。

そのため、英語力に不安がある学生でも安心して学校生活を送ることができます。
また、少人数制のクラスが多く、教師が生徒一人ひとりに目を行き届かせやすい環境も魅力です。

Gina & Partnersでは、親子留学や親帯同の小学校留学、中学、高校留学やその後の大学進学をサポートしています。
学校の紹介やサービス内容については下記ページをご覧ください。

>>Gina & Partnersの中学・高校留学についてはこちら

ニュージーランドの中等教育(高校)

ここからはニュージーランドの中等教育について細かく見ていきましょう。

ニュージーランドの中等教育の概要

ニュージーランドの中等教育はYear 9〜13の5年間です。

義務教育はYear 11までですが、多くはYear 13まで在籍し、高等教育や就職を目指します。

ニュージーランドの高校の授業の進め方・学ぶ科目

ニュージーランドの高校では、生徒一人ひとりの興味や適性、将来の目標に合わせて、さまざまな科目を学ぶことができます。

Year 9やYear 10では、英語、数学、理科、社会、保健体育などの基礎的な必修科目を学びますが、同時に芸術(音楽、美術、演劇など)、テクノロジー(木工、金属加工、食品技術、情報技術など)、言語(マオリ語、フランス語、ドイツ語、日本語、中国語など)といった分野から選択科目を履修します。

Year 11からは、NCEA(このあと説明)の単位取得が本格的に始まり、選択科目の比重がさらに大きくなります。
大学進学を希望する生徒は、志望する学部で要求される科目を意識して選択します。

例えば、理系に進みたい場合は物理、化学、生物、数学(微積分や統計学)などを、文系に進みたい場合は歴史、地理、古典、経済学、会計学などを選択することが一般的です。

その他にも、観光学、ホスピタリティ、メディア研究、ダンス、写真、アウトドア教育など、実践的な科目やユニークな科目も数多く用意されています。

選択できる科目の種類は学校によって異なるため、自分の興味がある分野の科目がある高校を選ぶと良いでしょう。
科目選択の自由度が高い一方、基礎となるリテラシーとニューメラシー(読み書き能力と数的処理能力)の習得は必須です。
これらは特定の科目ではなく、読み書き能力と数的処理能力を示し、各科目の達成基準クリアで単位が認められます。

また、これに加えてリテラシー(読み・書き)とニューメラシー(計算)の試験がNCEAとは別にあります。
このリテラシーとニューメラシーの試験を合格しないと、NCEAを正式に取得できない仕組みになっています。

>>ニュージーランドの高校教育の魅力についてはこちら

時間割

授業は午前8時半から9時頃に始まり、午後3時から3時半頃に終わります。
1日の授業数は5~6コマ程度で、1コマの時間は50分~1時間程度が一般的です。

▼時間割の例

8:30 登校
8:45~9:45 授業
9:50~10:05 フォームクラス※日本のホームルームのようなもの
10:10~11:10 授業
11:10~11:30 インターバル
11:30~12:35 授業
12:40~13:40 授業
13:40~14:15 昼休み
14:20~15:20 授業
15:25~ 放課後のスポーツ、文化活動・下校

ニュージーランドの中等教育機関への留学

日本では、高校や大学などに入学するには入学試験があるのが一般的ですが、ニュージーランドではこのような入試制度はなく、基本的に全て書類審査になります。

そのため、ニュージーランド現地の高校への入学の可否は、これまでの日本の学校の成績表(過去2年間の最新の成績表で出席率が明記されたもの)、そして現在の英語力(英検やTOEIC、IELTS等のスコア)によって審査されます。
高校によっては、英語力をチェックするためにオンラインで面接が実施される場合もあります。

高等教育への進学条件「NCEA」

高等教育への進学条件「NCEA」

ニュージーランドの高校ではYear 11の学年から「NCEA(National Certificate of Educational Achievement)」と呼ばれる政府が定めるカリキュラムの下、単位を取得していく制度になっています。

Year 11では、ほとんどの高校で数学と理科とESOL(留学生向けの英語クラス)が必修科目となり、それ以外の4〜5科目は選択科目です。
Year 12、Year 13と学年が進むに連れて、選択できる科目数は増えて行き、自由度が上がって行きます。

また、自分が選択した科目の教室に、自分で移動をして授業を受けに行くスタイルですので、1つの教室に毎回違う先生がやってくる日本の高校とは大きく異なります。

高校によっては「卒業するには合計◯◯単位以上取得していること」など、卒業で必要になる単位数が規定されていることもありますし、NZ現地の大学に進学する人は規定の単位取得が必須ですので、生徒たちは単位を取れるように一生懸命勉強しています。

ニュージーランドの高校を卒業した後に現地の大学に進学する場合は、NCEAの規定の単位とUE(Universtiy Entrance)と呼ばれるNZの大学入学資格を取得する必要があります。
単位のカテゴリー指定などもありますので、UEを狙う生徒は単位履修時に先生によく相談することをお薦めします。

Level 1レベル1の教科から60単位以上
Level 2レベル2の教科から60単位以上
Level 3レベル3の教科から60単位以上
Literacy, Numeracyいずれかのレベルの時にLiteracy 10単位とNumeracy 10単位を取得

IB(International Baccalaureate)=国際バカロレアのコースを取り入れている学校もある

ニュージーランドの一部の高校では、NCEAに加え、国際的に認められた教育プログラムである国際バカロレア(IB)のディプロマ・プログラム(DP)を提供しています。
IBDPは2年間で履修し、6つの教科グループと「知の理論(TOK)」、「課題論文(EE)」、「創造性・活動・奉仕(CAS)」に取り組みます。

世界中の大学で評価される厳格なカリキュラムで、修了により国内外の難関大学への進学に有利となる可能性があります。
IBコース提供校は限られ、入学要件が異なる場合があるため、事前の確認が必要です。

ニュージーランドの大学・ポリテクニックについてはこちらの記事でもご紹介しています。

>>ニュージーランドの大学の教育制度についてはこちら

ニュージーランドの高校を卒業後、日本の大学に進学することもできる

現地の高校を卒業した後は日本に帰り日本の大学に進学する人も多いです。多くの留学生は、帰国生入試かAO入試の制度を利用します。
帰国生入試は、ほとんどの大学で「海外の高校に2年以上在籍し、かつ最終学年を海外の高校で卒業した人」が基本的な最低条件になります。
しかし、帰国生入試ではどの大学でも英語力の基準や求められる成績の基準は高く、年々狭き門になっているのが現状です。

AO入試の場合でも、留学したことをアピールするにはそれなりの英語力の証明(IELTSやTOEFL、TOEICなど)を提示することが大事となり、高得点を提示できないと海外留学のアピールになりません。
また、単に英語力が高いだけでは十分とは言えません。AO入試では、英語力に加えて、留学を通じて得た「大きな気づき」や「学び」があったかどうかも評価の重要なポイントとなります。

例えば、ニュージーランドのような国際的な環境に身を置いたことで、何か深く探求したい研究課題を見つけたり、社会問題に対する意識が芽生えたりといった経験は、大きなアピール材料になり得ます。
留学を通して何を感じ、何を考え、それを今後の大学での学びにどのように活かしていきたいのかを、自身の言葉で言語化できるかどうかが、合否を左右するケースも少なくありません。

そのため、これらの英語試験対策に加えて、小論文や面接の対策にも真剣に取り組む必要があります。
日本の大学受験をする人は、ニュージーランドで留学をしながら、しっかりと受験勉強をする必要があることを頭に入れておかなければなりません。

Gina & Partnersの高校留学では、大学受験用の書類取得サポートやオプションで進路についてのご相談、サポートも受け付けておりますので、進路に不安な方も安心して留学いただけます。

>>Gina & Partnersの高校留学のサポートについてはこちら

まとめ 〜ニュージーランドの中学・高校への留学はGina & Partnersにお任せください〜

弊社Gina & Partnersでは、留学先となる高校の選定や入学手続きの代行、現地生活サポート、そしてビザ申請の代行も行っています。
また、留学の学習サポートや、大学進学を見据えた英語試験対策コース、小論文対策講座など、将来的に受験で必要になる学習まで、トータルサポートしています。

Zoomによる無料カウンセリングも随時実施していますので、まずはお気軽にメールまたはLINEでお問い合わせ下さい。

>>お問い合わせはこちら

ニュージーランドの中学・高校教育制度に関するよくある質問

ニュージーランドの中学・高校の学費は年間どのくらいかかりますか?奨学金制度はありますか?

ニュージーランドの中学・高校の学費は、公立校と私立校で大きく異なります。
公立校の場合、年間およそNZD 13,000〜NZD 17,000程度が目安です。私立校はこれよりも高く、年間NZD 25,000〜NZD 40,000以上かかることもあります。

奨学金制度については、学校や地域、プログラムによって有無や条件が異なりますが、「トビタテ!留学JAPAN」の奨学金などが代表的な給付型奨学金です。

ニュージーランドの高校ではどのような科目を履修できますか?日本の高校と違いはありますか?

ニュージーランドの高校では、日本の高校と同様に、数学、理科、英語、社会などの必修科目の他に、幅広い選択科目が用意されています。例えば、芸術(音楽、演劇、美術)、テクノロジー、外国語(マオリ語、フランス語、日本語など)、ビジネス、体育などさまざまです。

生徒は自分の興味や将来の進路に合わせて自由に科目を選択できる点が、日本の高校と大きく異なる点と言えるでしょう。

英語力に自信がないのですが、ニュージーランドの学校でやっていけますか?サポート体制はありますか?

英語力に自信がない方のために、ESOL(English for Speakers of Other Languages)というサポートプログラムを提供している学校もあります。

また、Gina & Partnersでは、事前の英語学習レッスンや、現地の語学学校と提携し、High School Preparation Courseをご案内しています。
High School Preparation Courseは、志望校への入学に必要な英語力を得るための一般英語の授業に加えて、現地の高校で学ぶ教科にも入学前から触れることができる貴重な機会です。

>>事前の英語学習レッスンついてはこちら

ニュージーランドの中学・高校留学ではどこに住みますか?

基本的にホームステイとなることが多いです。
現地の家庭に滞在することで、ニュージーランドの文化や生活習慣を理解し、日常生活の中で自然な英語を習得することができます。

ホストファミリーは留学生を温かく迎え入れ、食事の提供や生活のサポートをしてくれますので、安心して生活を送ることができます。

Previous
Previous

ニュージーランドで高校留学 おすすめの高校一覧

Next
Next

ニュージーランドの高校留学メリットとデメリット